ひらがなタイムズ2月号発売!

日英バイリンガル月刊誌『ひらがなタイムズ』の2月号が発売されました!

砂崎は今回、記事を1本書いています。日の丸交通で初のエジプト人タクシー運転手となった、モハッマド・モスアド・セリムさんのインタビュー記事です。

セリムさんのすごいところは、第二種運転免許にも合格してしまう日本語力・漢字力!第二種運転免許って、お客さんを乗せるタクシー運転手さんが取らなきゃいけない免許ですね。普通免許を取られた方ならご存じだと思いますが、自動車免許の取得には、道路交通法やら何やらと、漢字がいっぱいの専門用語を読みこなし、テストにパスしなけりゃなりません。第二種免許となると更に難しいのに、セリムさんは2か月で合格されたそうです。日本人のタクシー運転手志望者でも、2か月では無理な方もいらっしゃるとか。その努力のほどがしのばれます。

セリムさんはエジプト人なので母語はアラビア語です。アラビア語話者は日本人より耳に頼る傾向があって、外国語学習については、「話し聞きはできるけれど読み書きは苦手」という人が見られます。(日本人は逆に、目に頼る傾向がありますね。英語を読んだり朗読したりはけっこう出来るのに、話すとなると途端におろおろする…みたいな)。なのでセリムさんの流暢な日本語を初めて聞いたとき、砂崎は正直、それほど驚きませんでした。(アラブの方は耳がいいからな…)と思ったくらいです。が、突っ込んで話してみて(お、この方はハイレベル話者だぞ)と感じました。その後メールのやり取りなどもして、(すごい、読み書き話し聞きの4技能、全てが高水準だ!)と感服!大学から日本語学習を始め、独学期間も長かったとのことで、その努力の程に感じ入りました。

そんな、日本語達者なセリムさんですが、当然ここへ至るまでには苦労も多々されたそうです。広島で、方言を話す人に「貴方でしょう?」の意味で「アンタやろう?」と言われたときには、(やろう、って『このヤロー!』とかのヤロウか?!何で悪口を言われるんだ?!)とショックを受けたとか。そんな経験談も豊富で、トークの上手なセリムさんに、人気のタクシー運転手さんになられるだろうな、と思ったインタビューでした。

さて、過去数年にわたり、ほぼ毎月書かせていただいてきた『ひらがなタイムズ』ですが、編集方針が変わったとのことで、今後は砂崎が書くことも少なくなりそうです。その代わり、ではありませんが、今年はまた別の本が出せるかな、と思いますので、引き続きよろしくお願いいたします!

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ひらがなタイムズ1月号発売!

日英バイリンガル月刊誌『ひらがなタイムズ』、2018年1月号が発売されました!

『ひらがなタイムズ』とのご縁は、これで丸8年になります。この間ほとんど毎月、だいたい2、3本の記事を書いてきました。

『ひらがなタイムズ』は今号から、内容が大きく刷新されました。今後も砂崎が書くかどうかは未定ですが、日本語教育への情熱は変わらない雑誌だと思います。

さて、今号に関しては、砂崎、記事を1本書いています。マンガ・アニメ英訳の草分け、フレデリック・ショット先生のインタビューです。…ショット先生はとても気さくな方で、「先生!」と呼ばれるといつも「いえいえ、私は先生じゃありません。ショットさんと呼んでください」とおっしゃる。でも、「この方なくして日本マンガ・アニメの今日の隆盛はなかった」ことを思うと、…ついつい「先生」と言ってしまうんですよ…。

今回、先生から伺った新たなネタは2つ!1つは、「mangaという単語を英語界に浸透させるのは、チョー大変だった!」ということ。日本のマンガがアメリカのコミックと異なる、独自のメディアであることを強調したくて、ショットさんは「comic」とは敢えて訳さず、「manga」という単語を使い続けたのだそうです。その結果、ショット訳のmangaは本屋さんで化学書のコーナーに陳列されたり、イタリア料理の本だと誤解されたりしたのだとか。(金属のマンガンや、イタリア語で「食べる」を意味する動詞 mangiaと見まちがえられたらしい…実話です)。

もう1つは、…いや、この話はまたいつか別のとき、別の機会に書くこととしましょう。とにかく、ショットさんにまたお目にかかれて、実に嬉しかった砂崎なのでした!

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ひらがなタイムズ12月号発売!

日英バイリンガル雑誌『ひらがなタイムズ』の最新号が発売されました!

砂崎は今回、3本書いています。

1本目は「クール・ジャパン」コーナーにて、都内唯一の屏風専門店『片岡屏風店』について。こちら、屏風の製作体験ができるお店で、最近は外国人のお客さまも多いそうです。「屏風の本来の用途は風よけなので、風を通さないよう、継ぎ目もぴったりとつなぎ合わせる技術があるんですよ」と伺い、よくよく屏風を観察したらその通りで、感心してしまいました。源氏物語にも屏風が実用品かつ美術品であったことを偲ばせる描写が多々出てきますが、さすが、伊達に1000年使われ続けてきた訳ではないのね~、と目からウロコのお話ばかり。ぜひまた、今度は製作体験をしてみたいと思いました。

2本めは、母国と日本との間で活躍される方を取りあげる「プロファイルズ」コーナー。先ごろ「国際交流基金賞」を受賞されたばかりのアンドレイ・ベケシュ氏をインタビューしました。もともとは数学を学ぶため日本に留学されたのですが、日本語・日本文化の魅力にハマってそちらの専門家になってしまわれたという、面白い方です。ユーモアたっぷりで気さくですが、中欧・東欧の日本語教育において、この方の貢献は大なるものがあり、…はい、某一流ホテルでのインタビューはけっこう緊張しました。

3本めは、日本暮らしを語る「日本で日本語」コーナーのインタビュー記事。日本で勉強と仕事を頑張り、コンビニのオーナーにまでなってしまったバングラデシュの方、ラハマン・インザマムーさんを取材。日本語がまったくわからないのに接客業の面接を受けに行き、みごと採用されてしまったという魅力的な方です。明るさ、前向きさが溢れるような人で、採用されたのもお人柄ゆえなのだろうな、と実感しました。一方、「母国では、貧困のため退学していくクラスメートもいました。働いて一家を支えながらでも勉学が続けられるような学校・しくみを作りたい」とおっしゃる社会派でもあります。今後のご活躍を見守りたくなる、すばらしい生年でした。

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ひらがなタイムズ11月号発売!

日英バイリンガル雑誌『ひらがなタイムズ』、最新号が発売されました!

砂崎は今回、3本書いています。

1本めは、「クール・ジャパン」。スタジオアルタさんが有楽町にオープンしたミュージカル専用劇場「オルタナティブ・シアター」を取材しました。主役の早乙女友貴さん、大衆演劇の出身らしい色気ある立ち姿で、久々に胸高鳴る芝居を見せていただきました。

2本めは「ジャパン・プロファイルズ」で、ドイツ人女性で着物スタイリスト・デザイナーであるアンジ―・ザルツさんを取材しました。ウェブメディア「着物美人」の公式ライターさんでもある方です。着物の世界へぐいぐいと分け入っていく、そのパワフルな姿に、こちらも勇気をもらいました。それに、ポーズを取った瞬間、独特のムードが出る方なんですね。スタイリスト・デザイナーだけでなく、モデルの才能もお持ちのようでした。

3本めは「日本で日本語」。独立行政法人・国際交流基金による、外国人日本語教師支援プログラムによって来日しているミャンマー人女性お二人を取材しました。日本に自費で留学できるのは、先進国の学生や極めて富裕な層に限られているのが実態です。彼女らのような優秀な学生が、日本の公的な助成制度を受けて、ゆくゆくは両国の架け橋となってくれることを祈ってやみません。

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ひらがなタイムズ10月号発売!

長年お付き合いさせていただいております日英バイリンガル雑誌『ひらがなタイムズ』、最新号が発売されました!砂崎は今回、3本書いています。

1本めは、日本のイケてる物・人を紹介する「クール・ジャパン」コーナー。D1グランプリという、車のドリフト走行の腕前・カッコよさを競うコンテストを取材しました。砂崎はクルマ乗りではなくバイク乗りで、しかもカッコよく走る腕とは無縁なのですが、はい、ドリフト走行、カッコいいですね!今後クルマは、自動走行技術が発達して「走る楽しみ」より「アシ化」が進むのだろうとは思いますが、一方でこういう「走る楽しみ」追求派も残るだろうなと感じました。

2本めは「トラベリング・ジャパン」コーナーにて「外国人にまだ知られていない名所」。すべての「平成百景」を訪ねるというプロジェクト「NIPPON100」を実行中の、フランス人カップルを取材しました。お二人の名はオレリ・ロペールさん、ジュリアン・ジーリさん。もともとジャーナリストで日本には、「休暇で来てその魅力とポテンシャルに気づいた」というだけあり、目のつけどころ確かな記事を発信されています。

プロジェクト「NIPPON100」のサイトはこちら。仏語と英語の記事がメインですが、すばらしい写真と、フランス人視点の「日本の美」が堪能できます。

お二人と話していて面白かったのは、雑談中に思わぬ発見があったこと。取材も終わり、「じゃあ帰りましょうか」と、たまたま同じ方向の電車に乗ったその中で、ジュリアンさんがふとスマホを見て、「あ、僕ら、テレビ番組で放映されるみたい」と呟いたのです。「え、何それ?」と伺ったところ、「この間成田空港で、『どうして日本へ』と訊かれてね」「そうそう、疲れた顔してるとこ撮られちゃって、恥ずかしかったわ」と言うではありませんか。そう、「YOUは何しに日本へ?」でした。「あのね、その番組、有名だからSNSでシェアした方がいいよ!」とお勧めして別れたのですが、はい、反響がけっこうあったとのことです。

 

 

 

 

 

 

お二人のプロジェクトは、日本人にとってとても有難い企画なので、スポンサーの増えることをお祈りしております。

さて、砂崎の記事3本め。「日本で日本語」コーナーにて、『キャプテン翼』のアラビア語訳を担当されたシリア人カッスーマー・ウバーダさんをインタビューしました!ウバーダさん、お話がとても面白い方で、…。ちょっと長くなるのでウバーダさんの件は、また別の日、別の時に語りますね。とにかく、日本語力がすばらしくて、人なつこい、笑顔のすてきな方でした。

 

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ひらがなタイムズ9月号発売中!

何やかやと立て込んでご報告が遅れましたが、『ひらがなタイムズ』9月号、発売しております!今回の執筆記事は2本です。

1本めは、日本の冴えた文化を紹介するコーナー「クール・ジャパン」で、バンド『破天航路』さんについて。音楽はロック、メタル、端唄(江戸時代の歌曲ですね、三味線バックに歌う感じの)、ダンスは殺陣、日舞、バレエと、「何でもアリ!」感が魅力のグループです。個人的には、構成の良さに大満足!どれほど優れた技量でも、いち公演中に(あ、コレさっき見た/聞いた)という要素があると艶消しなもの、破天航路さんは次々に新手を繰り出して見せてくれるので、たるみ無くラストまで見入ってしまう感じでした。(それだけ引き出しが多い方々だってことでしょう)。

直近のライブは9/6(水)に六本木、とのことです。また、取材のもようをyoutubeにもアップしていますので、ご興味のある方は是非こちらから!(砂崎も顔出ししています♪)

2本めの記事は、日本と母国との間で活躍する方を取りあげる「プロファイルズ」コーナー。インタビュイーはバリアフリー情報提供サイト『ACCESSIBLE JAPAN』主宰する、グリズデイル・バリージョシュアさんです。手足に障害をお持ちのグリズデイルさんですが、来日して仕事を見つけ、日本語もマスターして、さらに日本に帰化されました。そして、障害のある外国人が安心して来日できるようにと、『ACCESSIBLE JAPAN』をボランティアで運営されています。

外国に移住して国籍も替えるということは、なまなかの覚悟では出来ないと思いますが、元が移民の国カナダ出身の方は、ポジティブに受け止められるようですね。グリズデイルさんは、「日本が好きで、この社会の責任ある一員になりたいと思ったから」とためらいなく答えていらっしゃいました。お母さまも、「私の両親もそもそも移民、二人がカナダへ来て、それで今この家族が存在する。あなたも冒険して、幸せになりなさい」と送り出してくださったとか。

グリズデイルさんの今後のご多幸とご活躍を心からお祈りいたします。

さて、今月は。砂崎、ひさびさに講演会をおこないますよ!お題はもちろん「源氏物語」。よくある「光る源氏」についてのお話ではなく、その息子(とされている)薫について、「香り」という観点から語ります。ちょっとコアな源氏物語を知りたい方は、是非こちらから!

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